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呼吸

息詰まり

ストレレスと呼吸は切っても切れない関係があります。

集中して行わなければならない仕事では、きっと息を吐くのを忘れあるいは、息を止めて作業をすすめている人が多くいると思います。考え事をしているときや、諸々の問題を抱えた時、人は呼吸のことを忘れていることでしょう。

今はコロナの非常事態宣言で自由にならず息が詰まりそうな方も大勢いるかと思います。

人は息を吸うことは意識しても、あまり吐くことを意識する人はいないと思います。しかし息を吐かないと、息は入ってきません。何事もそうですが、貯めるばかりで、出すことをしないと循環はおこらないのです。お金も溜め込んでばかりでは世の中に循環しません。

少し意識して自分の呼吸を見てみるとわかると思うのですが、息を吸う時は普通、横隔膜が収縮するときに、首の筋肉も一緒に収縮します。なので息を吸ったまま止めていると、首の筋肉まで収縮したままです。

これは脊椎動物が、水の中を出て陸上で生活するようになった進化の過程で、鰓呼吸から肺呼吸に変わったときの名残だそうで

横隔膜の筋肉は、舌と同じ前頸壁の直筋系に由来する。その支配神経は頸部直筋や腕の筋肉と同じ頚神経の枝である

三木成夫 生命とリズムより

この三木先生の本を読むと

肩肘張って身構えた時、そこでは、首の筋肉と一緒になって、兄弟の横隔膜までが同時に収縮する、ということなのです。驚いてハットとした時、このハッというのが、全身の筋肉の緊張と同時に、まさに息を吸い込む音声を表したものであるということは言うまでもない。どうやら私たちのからだは、横隔膜の収縮ー息の吸入ーなくして、なにごととも構えることができないような面倒な仕組みになっているようです。

三木 成夫 生命とリズムより

この本を読むと、逆もありかな?息を吸ったまま呼吸を忘れていると(息詰まり状態)、全身の筋肉が緊張したままになっているのではないだろうか、例えばパソコンを前に仕事をしている姿勢は、ちょうど肩肘を張って身構えている姿勢に近く、集中していると息を吐くのも忘れてしまう。このような作業が続くと首から背中、ひどければ腰まで筋肉が緊張し、それが続くと慢性のコリになってしまう。

また別の本には、

日常生活において、心身の活動時に精神の緊張は当然のことであるが、しかし異常状態になると筋緊張も異常となる。そうしたことが続くと精神的ストレスの累積から、今度は自律神経の異常が生ずる。つまり交換、副交換の両神経が節度を失い、知らぬ間に自律神経失調状態となる。それが内蔵の働きに支障をきたすことになる。

万病を治す丹田呼吸 村木弘昌著

別の章では

心に不安、心配、ときには恐怖といったものがあると、呼吸は浅く、力の入らぬ状態となりやすい。そうした好ましくない呼吸は肺のガス交換を低下させるばかりではなく、血液の循環にまで悪影響を及ぼす。そのときには横隔膜の働きが鈍っている。浅い呼吸、力の入らぬ呼吸に明け暮れると気力はなくなり、顔色は冴えず、気分は暗い方へと引きずり込まれがちとなる。このように呼吸と血液循環とは不安、心配によって大きく影響される事実から、呼吸と心と体とは絶えず大きく関わりわりあっていることに気づくであろう。

万病を治す丹田呼吸 木村弘昌著

このことは東洋医学でも同じようなことが述べられており、東洋医学では肺の生理は氣の循環や発散が主な作用でその肺氣が動くことにより、血も運ばれるのである、よって呼吸が詰まると、気血の流れが滞りあるいは氣が行き渡らず氣滞や気虚、血滞をおこし滞ったところは痛みになったりする。これを考えるといかに呼吸が大切が分かってくると思う。肺の働きすなわち呼吸によって全身に氣をめぐらしているのです。

ではどうしたら、息詰まりを防ぐか、それが息抜きです。そんなの分かってるって?

そうです、肺に溜まった息を抜くのです、どうやって?

方法は色々

  •  おしゃべり
  •  歌を唄う
  •  笑う
  • 呼吸法を行う

おしゃべり

人は息を吸いながら、話をすることができません。よっておしゃべりをすることは自ずと息を吐くことになります。大げさに言えば話を伴わなければ呼吸ができなくなることも考えられます、あのさんまさんなんかももしかしたら、会話禁止になったら呼吸困難を起こすかもしれません。というわけで、仕事の合間に手を止めておしゃべりをすると、息つまりが解消されます。

歌を唄う

歌もおしゃべりと同じような効果だと思います。昔、歌を唄いながら仕事をしていた時代、農作業、漁業など仕事をしているとついつい息詰まりをおこすため、手を動かしながら、歌を唄うことにより、息を吐き出し息詰まりを防いでいたとのことです。井戸端会議もその一つとのことです、昔は井戸の周りでみんなが集まり、洗濯などの作業をしながら話をする、それも息詰まりを予防する手段だそうで、昔の人は知らずしらずのうちにそのような手段を身に着けていたのですね、今歌を唄いながら仕事なんかしたら叱られそうなので、カラオケなどに行って息詰まりを知らずしらずのうちに解消しているのかもしれないです。

笑う

パッチ・アダムスという映画をご存知でしょうか?その映画の中でも笑いが患者さんの免疫力を上げ、病気を治していくシーンが数々あります。笑いは息を吸っては笑えません、吐き出すから笑えるのです(サンマさんは吸ってるかもしれませんが?)笑いがなぜ免疫力を高め病気を治すのか、笑う時には、「下腹部に力を入れて息を短く吐く」ことを繰り返しています。これは、腹式呼吸と同じ呼吸法です。1回に出入りする空気の量は、胸式呼吸でおよそ500mL、腹式呼吸で最大2000mLにもなるため、1分間の呼吸量は腹式のほうが多くなります。つまり、大声で笑うことを繰り返すと、体内にたまっている大量の二酸化炭素が体外に排出され、たくさんの酸素が体内に入りやすくなります。すると、肺胞の表面からプロスタグランジンという物質が分泌され、血管を拡張させて血圧を下げるように働きます。また、興奮したときに分泌されるホルモンであるノルアドレナリンの分泌も抑えてくれます。笑いが呼吸に作用することで、さまざまな体の不調を整えてくれるのです。笑うことは立派な呼吸法になっているのです。

呼吸法

呼吸法はいろいろな呼吸法があると思います。しかし基本は腹式呼吸を基本としています。座禅、ヨーガなど人それぞれ自分に合った呼吸法を実践されればよいかと思います。ちなみに私はホ・オポノポノのHAの呼吸法というのをおこなっています。この呼吸法は特に複式呼吸云々とは言っていませんが、私は複式呼吸で行います。呼吸の仕方は簡単で、息を吸いながら7数えて、息を止めて7数えて、吐きながら7数えて、吐ききって7数えます。それを7回繰り返すだけ。なんですがなかなか呼吸と7数えるタイミングが難しく、途中で息が苦しくなったったり、吐ききってもまだ5しか数えてなかったりで、慣れるまで大変でしが、毎日続けることにより気持ちよくおこなえるようになりました。今では寝るときにもHAの呼吸を行うのですが、7まで数えられず途中で寝落ちしてしまうことが大半です。あとは時間があるときは座禅もどき?のことを少し、雲堂というアプリを使って30分ほど座禅をします。

これが雲堂トップ画面です
スタート時、これから線香の燃える画面に変わり時間とともに線香が燃え、時間が来ると鈴がなり終わりを告げてくれます。
今まで何回座禅を行いトータル何時間座ったかがカウントされることです。ちなみに私は141回そこから最近はあまり増えていません

最近はあまり余裕がないせいか、あまり起動させていません。

なぜ腹式呼吸が良いのか?

腹式呼吸は横隔膜を意識的に動かす呼吸法

その1:横隔膜を上下運動させることにより、腹腔内の圧が上昇したり、減圧したりすることにより、胸腹両腔の内蔵マッサージ効果があると言われています。心臓、肺はもちろん、肝臓、胃、腸、脾臓、膵臓、腎臓、膀胱それに女性では卵巣、子宮に至るまで横隔膜上下運動でマッサージを受けます、特に肝臓の受けるマッサージ効果はバッグんだそうです。お酒を飲みすぎている方は肝臓が固くなっています、腹式呼吸をして肝臓をマッサージしましょう。

その2:肺のガス交換と血液循環に貢献します。横隔膜は呼吸器筋として働くのはもちろんですが、心臓を助ける役割もしています。心臓は酸素と栄養分を含んだ血液を身体の隅々まで送り届けなければなりませんが、心臓では、そのような栄養のある血液を製造できないので、使用済みの血液をその都度捨て去るわけにはいきません。使用した血液を肺に戻し再生させまた心臓のポンプで体中に送り出さなければならないのです、そのためには絶えず全身の静脈血から心臓へ戻さなければならず、その働きを助けているのが横隔膜です。横になっているときは重力がさほどかからないので、下肢からの血液を心臓に戻すのには負担は少ないのですが、日中立っている時、心臓より下にある静脈血は重力に航して心臓までさかのぼっていかなければなりません。すべての液体は高きより低きに行くのが原則、それを逆行させるためにはある力を加える必要があります。よく小学生が朝礼で話しの途中で気分が悪くなり倒れる生徒が出ることがありますが、あれも血液循環の低下現象で、下半身の静脈血の心臓循環が妨げられると言われています、下肢の静脈血は下肢の骨格の収縮によって心臓への還流を促しているわけで、動いていると骨格筋が活動しているために、そのような気分が悪くなる現象が起こらないのです。その静脈血の心臓への還流を助けているのが横隔膜の働きだそうです。

腹式呼吸は、自律神経を調整するばかりではなくこのように、内臓のマッサージ効果や、血液循環の手助けもするのです。

少し呼吸の大切さがわかっていただけましたでしょうか、普段何気なくしている呼吸ですが、心臓が血液を送り出すのには絶対不可欠な活動です、人間が生きている間は休止を許されない。そのためにもせめてわずかな時間でも負担を軽くしてあげる時間が必要だと思います。生命のリズムは活動と休養の調和に求められます。

呼吸を今一度見直し、身体の調和をはかりましょう。

コロナウイルスも少しばかり落ち着いて来たようですが、まだ油断は禁物。ストレスに負けない体作りで免疫力を高めましょう。